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映画『特捜部Q カルテ番号64』をネタバレレビュー/優生思想がもたらした時代の悲劇

どうもー、ガイコツ(@of_za_dead)です。

今回は映画レビュー回です。


今回は、大好きなミステリシリーズから

特捜部Q カルテ番号64

を観ました。



おなじみ特捜部Qシリーズですが、今度は一体どんな事件が起きるのか?早速見ていきましょう☆

ヒウィゴゥ(ง ˙ω˙)ว

カモン(ง ˙ω˙)ว


特捜部Q カルテ番号64 ※ネタバレあり

特捜部Q カルテ番号64(字幕版)

原題:JOURNAL 64

英題:THE PURITY OF VENGEANCE

製作国:デンマーク/ドイツ

日本公開:2019年1月11日

上映時間:118分

配給:カルチュア・パブリッシャーズ

特捜部Q カルテ番号64の見どころ ※ネタバレあり

見どころ:

ユッシ・エーズラ・オールスンの「特捜部Q」シリーズ映画化第4弾のミステリー。未解決事件の調査に当たる特捜部Qの刑事たちが、ある失踪事件を捜査する。特捜部Qのコンビを、ニコライ・リー・コスとファレス・ファレスが続投。『恋に落ちる確率』などのクリストファー・ボーがメガホンを取り、脚本を本シリーズや『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』などのニコライ・アーセルが務めた。

出典:シネマトゥディ

youtu.be

スタッフ

監督:クリストファー・ボー

監督さんはまたも交替。

『獣は月夜に夢を見る』や、『恋に落ちる確率』などの作品に携わったそうですが、わたくしはよくわからない人です。


脚本:ニコライ・アーセル

脚本は続投になります。


製作:ヨナス・バガー


製作総指揮: マリー・ゲード・デネッセン


原作:ユッシ・エーズラ・オールスン

「特捜部Q」シリーズは小説が原作で、作者はこの方。

本作は、その第4弾にあたります。




キャスト

  • カール・マーク/ニコライ・リー・コス

デンマークでは有名な俳優のニコライさん。

特捜部Qシリーズの揺るぎなき主役です。

コミュ症でトラウマ持ち、いつも手がぷるぷる震えています。


  • アサド/ファレス・ファレス

特捜部Qシリーズに必要不可欠、仏頂面で不器用なマークの正反対の人間性をもつよき相棒です。

信心深い。


  • ローセ/ヨハン・ルイズ・シュミット
  • バク/ミハエル・ブロストラップ

特捜部Q カルテ番号64 のストーリーざっくり解説

とあるアパート。

建築図面と部屋の間取りが変わっているということで、本来は無いはずの壁が取り壊されます。

すると、その小部屋の中から、食卓を囲む3人のミイラが発見されます。

これがこの事件の始まり。


ミイラ死体たちの身元とその共通点を調査していくうち、カールらはスプロー島の女子収容所にたどりつきます。

当時のスプロー島で一体何があったのか?


さらに調査を進めると浮かび上がってくる、1人の医師、そして危険な思想をもつ集団。

情報提供者は殺され、カールたちも襲撃を受けます。


カールがその真相を解明した時、アサドは絶体絶命の危機に瀕していました。

カールは助かるのか?

黒幕を逮捕することはできるのか?

その結末は、是非映画をご覧になってください。

60年前と現在、同時進行で進んでいくストーリーとアサドのタイムリミット

この物語は、1961年のスプロー島と現在の場面が交互に進んでいく構成になっています。

捜査の進展具合に沿ったシーンが過去と現在で描写されていき、視聴者を惹きつけるに充分。


またそこに、他部署に異動が決まったアサドのタイムリミットという要素が加わります。

残り数日しか特捜部で捜査できないアサド。

煮詰まる捜査。

カールの心情の変化にも注目です。


実在したスプロー島 女子収容所

本作に出てくる、デンマークのスプロー島女子収容所は実在していました(1921年〜1962年)。

実在の女子収容所では、女性たちは半強制的に不妊手術を受けさせられていたとのことです。

その理由は、収容所に送られてきた『不良処女』たちを“優生学的に劣った”“道徳的にふしだらな”女性だと解釈していたことにあります。

この施設はもちろん、当時の社会全体が、そうした”劣等遺伝子は残すべきではない”という極端な思想を許容していた面があったのでしょう(こうした施設はアメリカにもあったとのことです)。


1883年にフランシス・ゴルトンが提唱したこうした考え方は優生学と呼ばれ、一般に「生物の遺伝構造を改良する事で人類の進歩を促そうとする科学的社会改良運動」と定義されました。

優生学に立脚した優生思想は、世界中で支持されることとなったのです。



当然と言えば当然か、スプロー島収容所では、不妊手術だけでなく人権侵害的な虐待行為も日常的に行われていたようです。

『時代が生んだ悲劇』と言うのは簡単ですが、実際にその渦中にあった人たちには言葉もありません…。

日本における同様のイシュー

日本においても、当時、優生学に立脚した立法政策があり、近時もニュースになることが多いです。

いわゆる旧優生保護法のことですね。


www3.nhk.or.jp


この記事で取り上げられた第一審判決の是非を当記事で論ずることはしませんが、1つ確かに言えるのは、20世紀初頭からその終盤まで、世界中にこうした思想が蔓延していたということです。

まず欧米で盛り上がったこの思想は、やがて日本にも上陸したというわけなんですね。

欧米先進諸国に右へ倣えで模倣していくのではなく、私たち自身でしっかりと考え、国の舵取りをしていかなくてはならないんだなと改めて思う次第です。



特捜部Qの過去作の原作はこちら↓






まとめ…監督が変わっても面白さは変わらない、特捜部Q。

今回も面白かった特捜部Q。

回が進むごとに、日本国内では公式HPが用意されなかったり公開館が減っていったりと寂しい扱いですが、作品のクオリティは全く落ちません。

本国・デンマークで人気があるのでその辺は心配ないのでしょう。


本作では、運転中に襲撃されるド派手なシーンや、ローセが襲われるシーン(ローセが特捜部のオフィスで格闘の訓練をしていたシーンは何作目だったか…あのシーンが伏線として回収されます!?)など見どころも多いです。

結末は序盤からなんとなく見えてきますが、2つの時代で展開していく物語やその激しさに心を奪われ、最後までダレずに鑑賞することができました。


ミステリ好きの方には是非に是非におすすめしたい1本でしたね。


前作「Pからのメッセージ」のレビューはこちら→



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映画って、本当に良いものですね♪では今回はこの辺で。バイキュー☆