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映画「パンク侍、斬られて候」ネタバレレビュー/荒唐無稽町田流メタフィクション時代劇

どうもー、ガイコツです。


楽しみにしていた2018.06.30公開の映画、

パンク侍、斬られて候

を観てきましたよー!

パンク侍、斬られて候を観てきました。


今回はこの映画「パンク侍、斬られて候」をご紹介していきます♪





パンク侍、斬られて候の作品情報

映画 パンク侍、斬られて候

製作年:2018年

製作国:日本

公開日:2018年6月30日

上映時間:131分

企画制作:dTV

配給:東映

映画『パンク侍、斬られて候』公式サイト 6.30全国ロードショー


パンク侍、斬られて候の見どころとあらすじ ※ネタバレあり

見どころ:

芥川賞作家・町田康が執筆した、江戸時代が舞台の人気小説を映画化。規格外の能力を持つがいいかげんな侍である主人公・掛十之進には綾野剛がふんし、自らがまいた種で起こる騒動に翻弄(ほんろう)されるさまが描かれる。『謝罪の王様』などの宮藤官九郎が脚本を手掛け、『シャニダールの花』で綾野と組んだ石井岳龍監督がメガホンを取る。共演は、北川景子、東出昌大、染谷将太、浅野忠信、渋川清彦、國村隼、豊川悦司ら。


あらすじ:

江戸時代とある街道で、自らを「超人的剣客」と豪語する浪人・掛十之進(綾野剛)が突然、巡礼の物乞いを斬り捨てる。彼は、この者たちがこの地に恐るべき災いをもたらすと言い放つ。


出典:シネマトゥディ

www.youtube.com


パンク侍、斬られて候のスタッフ・キャスト ※ネタバレあり

スタッフ

原作 - 町田康

昔から大好きな作家です。

芥川賞も取っている著名作家ですが、デビューはINUというパンクバンド。

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当時の芸名(?)は町田町蔵でした。


町田康の小説は本当にたくさん読んでどれも好きなんですが、いくつかおすすめしておきます。


町田作品には、大体クズ野郎しか出てきません。

本作「パンク侍、斬られて候」もクズばっかり出てくるし、主人公もドクズです笑



脚本 - 宮藤官九郎
クドカンの脚本はもともとめちゃめちゃ面白いことで定評がありますが、加えて石井監督の影響が多く見てとれます。

クドカンがギターを弾くバンド、グループ魂ですが、魂がまだ3人グループの頃から演奏している曲、『グループ魂のテーマ』は、石井監督の初期の名作、「爆裂都市」で使われたバトルロッカーズこの映画のために結成されたロッカーズとルースターズの混成バンド!!)の名曲・セルナンバー8のオマージュ、というか完全パクリです笑

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クドカンは、グループ魂の中では「暴動」を名乗っていますが、この暴動というネーミングも、映画「爆裂都市」のキャッチコピー「これは、暴動の映画ではない。映画の暴動である。」から命名したんじゃないかと個人的には思っています。


彼自身が映画に寄せたコメントの中でも、「長年密かに夢想し続けていた『爆裂都市2』への布石になるのでは?…「これが『爆裂都市2』でも良いかもしんない」とすら思いました。」として、爆裂都市に受けた影響を隠しません。


憧れの石井組の一員になれたという喜びが脚本にも現れてます。はっちゃけてますよ。



監督 - 石井岳龍
石井聰亙名義で長く活躍していましたが、前述の「爆裂都市」よりさらに2年前の名作「狂い咲きサンダーロード」で主演を務めた山田辰夫さんの死をきっかけとして、2010年に石井岳龍と改名しています。


「爆裂都市」には、パンク侍原作者の町田も役者として出演していました(実は本作にも!!)。

町田✕石井✕宮藤は、このように大変つながりの深い、縁のあるチームだったんですねー。



キャスト

綾野剛(掛十之進)
超人的剣客、掛十之進には綾野剛さん。

このキャスティング、聞いたときは??な感じだったんですが、映画を観たら理由がわかりました。

線の細い感じと、掛のクズ感が上手く表現できていると思いました。


北川景子(ろん)
超重要役どころのヒロイン(?)には北川景子さん。


東出昌大(黒和直仁)
融通のきかないまっすぐ人間、黒和直仁役は東出昌大さんで、これがまたハマっていました。

顔が生真面目なんだよな、この役者さん。


染谷将太(幕暮孫兵衛)
すっごい悪ノリしてた染谷さん笑

終始楽しそうでした笑


浅野忠信(茶山半郎)
浅野さんも振り切ってましたね笑

浅野さんのこういうブチ切れた演技観るのは久しぶりな気がしました笑


永瀬正敏(大臼延珍)
喋る猿将軍・大臼の正体は永瀬正敏!!

予備知識無しだったので、最後まで誰だかわからなかったよ笑


村上淳(真鍋五千郎)
出番はそれほど多くないですが、大好きな村上淳も出演。

浅野、永瀬、村上が揃い踏みしたのは地味に嬉しかったポイントです。



若葉竜也(オサム)

近藤公園(長岡主馬)

渋川清彦(江下レの魂次)

國村隼(大浦主膳)

豊川悦司(内藤帯刀)


パンク侍、斬られて候の解説と感想 ※ネタバレあり

原作を知らずに映画観た人は相当ぶっ飛んだんじゃないかな。

一応時代劇なんですが、現代劇的な要素もあったり、この物語自体が嘘デタラメだというメタフィクションの要素も含んでおり、とにかくものすごい熱量だった原作。

そんな町田世界が余す所なく映像化されていました。


感想を書くのも馬鹿らしいようなお話なんですが一応ストーリーを追ってみましょう。

超人的剣客でありながら阿呆で情けない浪人、掛十之進は、ある勘違いから一人の物乞いを切り捨ててしまいます(エンドロールで判明しましたが、この物乞いこそが、原作者・町田康さんでした!!)。
kadobun.jp

そのことを利用して黒和(くろあえ)藩に取り入ろうとする掛が黒和藩の権力闘争に巻き込まれ、嘘が嘘を呼び、でっち上げは現実となり、虚と実が交錯した大騒動が巻き起こります。

バカと猿のラストバトルは原作を忠実に再現。

原作を読んだときに頭の中に思い浮かべていた情景が見事に映像化されていて、10年以上前に原作を読んだことを懐かしく思い出して感動しました。


最後は、全てがメタフィクションの瓦礫と化します。唖然としたあのラストもちゃーんと再現されています。


エンドロールでピストルズのアナーキーインザUKが流れるんですが、エンドロールには短すぎる曲だよなー、このあとどうするのかな?と思ってたら、オチがありました笑

曲が切り替わって、ダメ押しで最後の笑いどころがあります笑


いやいや、面白かった!!



まとめ…町田世界を完全映画化するとこうも馬鹿らしく面白くなる

強烈な毒とパワーをもつ町田世界を映画化するとしたら、やはり石井監督のような人じゃないと無理でしょう(そもそも普通の人はこの小説を映画化しようなどとは絶対に考えない笑)。

ストーリーも、クドカンが脚本書くために存在するようなストーリーでしたね。

そしてキャストもそれに相応しい人たちが揃いました。

原作の毒とパワーを、監督とキャストが毒とパワーを以て制した作品でした。


観る人を選ぶ作品(そもそも町田小説は読む人を選びます)になりましたが、町田ファンの人や、ロックやパンクが好きな人なら楽しめると思います。

オススメします♪



映画って、本当に良いものですね♪では今回はこの辺で。バイキュー☆