どうもー、ガイコツ(@of_za_dead)です。
今回は映画レビュー回です♪
今回ご紹介するのは、怪優ニコラス・ケイジ主演の映画、
マンディ 地獄のロード・ウォリアー
です。
おどろおどろしい邦題ですが、一体どんな映画なんでしょうか。
早速見ていきましょう。
ヒウィゴゥ(ง ˙ω˙)ว
カモン(ง ˙ω˙)ว
マンディ 地獄のロード・ウォリアー ※ネタバレあり
原題:MANDY
製作国:ベルギー
日本公開日:2018年11月10日
映倫区分:R15+
上映時間:121分
配給:ファインフィルムズ
スタッフ
- 監督:パノス・コスマトス
- 脚本:
パノス・コスマトス
アーロン・スチュワート=アン
- 原案:パノス・コスマトス
- 製作:
エイドリアン・ポリトウスキー
マルタン・メッツ
ネイト・ボロティン
ダニエル・ノア
ジョシュ・C・ウォーラー
イライジャ・ウッド
- 製作総指揮:
ニック・スパイサー
マキシム・コットレイ
トッド・ブラウン
クリストファー・フィッグ
ロバート・ホワイトハウス
ナディア・カムリッチ
リサ・ホウェイレン
キャスト
- レッド・ミラー - ニコラス・ケイジ
主人公。仕事は木こり。
恋人・マンディと人里離れた山奥で平和に暮らしています。
ワイルドアットハートの頃から変わらない、ブチ切れた演技が今回も最高。
- マンディ・ブルーム - アンドレア・ライズボロー
ヒッピー風の出で立ち、左頬に傷を持つスカーフェイスの女性です。
両目の瞳の大きさも違うので、左目にも怪我を負っているという設定なのかもしれません。
絵を描いて暮らしています。
レッドの最愛の人。
- ジェレマイア・サンド - ライナス・ローチ
カルト集団の教祖。
とは言っても信者は少なそう。
プライドが高くメンタルが弱いです。
- ブラザー・スワン - ネッド・デネヒー
- マザー・マルレーネ - オルエン・フエレ
- ザ・ケミスト - リチャード・ブレイク
- カルザース - ビル・デューク
マンディ 地獄のロード・ウォリアー その見どころ※ネタバレあり
見どころ:
『ゴーストライダー』シリーズなどのニコラス・ケイジらが出演したホラー。妻を惨殺された男が、壮絶な復讐(ふくしゅう)を仕掛ける。監督は『ランボー/怒りの脱出』などのジョルジ・パン・コスマトス監督の息子のパノス・コスマトス。『シャドー・ダンサー』などのアンドレア・ライズブロー、『すべては愛のために』などのライナス・ローチらが共演。
出典:シネマトゥディ
マンディ 地獄のロード・ウォリアーのあらすじ ※ネタバレ注意
最愛の人、マンディをカルト集団に殺されたレッドの復讐劇。
と書くとたった一行で終了ですが、本当に内容はこれだけです。
ただし、この一行にこれでもかと濃密に押し詰められた見せ場の数々がありますので、ご安心を。
もう少し丁寧に書きましょう。
物語は3部構成になっています。
1部はThe Shadow Mountains 1983 A.D.
1983年が舞台だと示すタイトルになっています。
平和に暮らすレッドとマンディですが、不穏な夢や幻が彼らに忍び寄っています。
2部はCHILDREN of the NEW DAWN。
おそらくこの”新しき夜明けの子どもたち”が、件のカルト集団の名前なのでしょう。
彼らに目をつけられてしまうマンディ。
寝込みをいきなり襲撃されたレッドとマンディは捕らえられ、教祖の機嫌を損ねたマンディはレッドの前で生きたまま焼かれ、灰にされてしまいます。
復讐の鬼と化すレッド。
3部はMANDY。
レッドの復讐劇。
この章はアクション色の強いものになっています。
そして、不穏に、淡々と終わっていく物語。
シャロン・テート殺人事件
最愛の人をカルト集団に殺されてしまうというストーリーの本作ですが、実際に起こった事件が下敷きになっているようです。
シャロン・マリー・テート(Sharon Marie Tate、1943年1月24日 - 1969年8月9日)は、アメリカ合衆国の女優。テキサス州ダラス出身。妊娠中に狂信的なカルト信者らに刺され、26歳で母子ともに亡くなった。
1960年代にテレビの小シリーズに出演し、その後、映画に進出した。映画『吸血鬼』で共演したのが縁で1968年1月20日に映画監督のロマン・ポランスキーと結婚したが、翌1969年8月9日、狂信的カルト指導者チャールズ・マンソンの信奉者達の一人、スーザン・アトキンス(en)ら3人組によって、一緒にいた他の3名の友人達と、たまたま通りがかって犯行グループに声を掛けた1名と共にロサンゼルスの自宅で殺害された。
シャロンの前にその家に住んでいたテリー・メルチャー(en)が、マンソンの音楽をメジャーデビューさせられなかったことによる逆恨みの犯行であり、人違い殺人であった。
マンディがジェレマイアの逆鱗に触れて殺されたきっかけも、ジェレマイアの売れなかった音源を聴いて笑い飛ばしたことでした。
何でしょう、モチーフにしたくなる事件なんですかね。
ちなみに、シャロン・テートを殺害したカルトの指導者チャールズ・マンソンは、2017年11月19日に獄中死したそうです。
【2019年8月31日追記】
同じくこの事件をモチーフの一つにした映画、『ONCE UPON A TIME IN…HOLLYWOOD (ワンスアポンアタイム イン ハリウッド)』をレビューしました。
タランティーノ9本目の作品です。
本作とは全く異なるベクトルをもつ作品ですが、こちらも傑作。
事件をどのように作品に用いたのか、本作との違いが面白いですよ。
時代設定:1983
1983年という舞台設定によって、画面から漂うフラワームーブメント臭が必然性を帯びています。
マンディの出で立ち(ストレートのロングヘアにサバスのTシャツなど)然り、わざと粗くしたような画質、サイケデリックな映像…。
そして、ゆったりと時間が流れる1部では、こうした80年代前半の空気感がじっくりと描写されるのに対して、物語が進むにつれて、そんなものは全てぶち壊されていきます。
この辺りの疾走感も見どころ。
オマージュ
ジェレマイアの信徒の筆頭であるブラザー・スワンが、山奥のある場所でおかしなオカリナを吹くと現れる4人のバイカー、というか、異形。
どう見ても同じ人間とは思えません(その正体は…詳しくは本編をご覧ください!)。
このシーン、ヘルレイザーを彷彿としたのはわたしだけでしょうか。
レッドがバイカーの1人を倒した後にその場にあった革ジャンを着たのは、マッドマックスを連想させます。
レッドとマンディが住んでいるのはクリスタル・レイクのそば。
クリスタル・レイクと言えば、言わずとしれた13日の金曜日です。
そして、全編を通してそこはかとなく漂うリンチ臭。
登場人物たちの不可思議な行動や、現実と幻が交錯しその垣根が曖昧になる描写、終始響いている不気味なギギギギギ…という音…。
こうして演出された不気味で不穏な雰囲気が、マンディを単なるアクション映画とは一線を画すものにしています。
プレデターのオマージュというわけではありませんが、ビル・デューク扮するカルザースが登場するシーンも非常に良いですね。
まとめ…アートな感性で描かれたヴァイオレンスアクション、傑作『マンディ』
いやいやいや、めちゃめちゃ面白かったです。
特に前半に凝縮されているアーティスティックな映像美と、全てが崩壊し転がっていく中盤から後半。
相反する要素が自然な形で1本の映画に収まっています。
この監督さんすごいですね。
観る前は、笑いながら観られる豪快で単純明快なアクション映画だと思っていたので、予想と全く違う内容に嬉しい誤算でした。
ニコラスケイジという配役も完璧。
ホラー映画などと紹介される向きもありますが、カテゴライズするのはちょっと難しいと思います。
映画って、本当に良いものですね♪では今回はこの辺で。バイキュー☆