どうもー、ガイコツ(@of_za_dead)です。
今回は映画レビュー回です♪
今回観たのは、あの名作『シャイニング』の40年後を描いた作品
ドクター・スリープ
です。
スティーブン・キング自らの手による原作の映画化。
映画『シャイニング』では、原作との相違点が多かったためキングを怒らせてしまったそうですが、本作はどうか?
早速見ていきましょう☆
ヒウィゴゥ(ง ˙ω˙)ว
カモン(ง ˙ω˙)ว
ドクター・スリープ
原題:DOCTOR SLEEP
製作国:アメリカ合衆国
日本公開日:2019年11月29日
上映時間:152分
配給:ワーナー・ブラザース映画
ドクター・スリープ その見どころ※ネタバレあり
見どころ:
スティーヴン・キングのホラー小説をスタンリー・キューブリック監督がジャック・ニコルソン主演で映画化した『シャイニング』の続編。
一家を襲ったホテルでの恐ろしい出来事から40年後、生き延びた息子ダニーが遭遇する新たな恐怖を描く。
『ムーラン・ルージュ』などのユアン・マクレガー、『ミッション:インポッシブル』シリーズなどのレベッカ・ファーガソンらが出演。
『オキュラス/怨霊鏡』などのマイク・フラナガンがメガホンを取った。
出典:シネマトゥディ
スタッフ
- 原作:スティーブン・キング
『シャイニング』はもとより、『キャリー』や『IT/イット』『ペット・セメタリー』『ミザリー』など、著作の多くが映画化されてきた人気作家。
本作の原作は、比較的近年のものになります。
- 監督・脚本・編集:マイク・フラナガン
映画『ウィジャ ビギニング 〜呪い襲い殺す〜』などの監督。
キング原作の映画化では、2017年に『ジェラルドのゲーム』で監督・脚本・編集の経験があります。
- 製作:
トレバー・メイシー
ジョン・バーグ
キャスト ※ネタバレあり
- ダン・トランス:ユアン・マクレガー
『シャイニング(超能力)』の持ち主で、40年前の展望ホテルの事件を生き延びた人物。
父親に殺されそうになるというトラウマや、人に見えないものが見えてしまうという特質などのせいで、アルコール依存に苦しんでいます。
ユアンといえば『トレインスポッティング』をはじめ様々なタイプの映画に出続けてきた名優。
すっかり年をとりましたね。
- ローズ・ザ・ハット:レベッカ・ファーガソン
不死族の一団『真の絆』のリーダー。
強い超能力を持っています。
演じるレベッカは『ミッション・インポッシブル』シリーズや『グレイテスト・ショーマン』、『スノーマン』などで活躍してきた女優さん。
エロシーンは皆無なのに、なぜか妖艶で官能的な演技を魅せてくれました。
- アブラ・ストーン:カイリー・カラン
ダン以上の強力なシャイニングの持ち主。
強い意志で、真の絆と真っ向から対決します。
- ビリー・フリーマン:クリフ・カーティス
流れ者のダンを助け、最良の友となる男。
優しすぎる性格で、酷い無駄死にをすることになります。
演じたクリフ・カーティスさんは、多くの映画に出演してきた名脇役。
大好きな『MEG・ザ・モンスター』にも出演していました。
- ディック・ハロラン:カール・ランブリー
40年前の事件でジャックに殺されてしまったハロランですが、その後も霊魂?として、ダンを助け続けてきました。
ダンの数少ない心の支えになっていますが、作品中盤でその役目を終え、自らダンのもとを去ります。
- クロウ・ダディ:ザーン・マクラーノン
- スネークバイト・アンディ:エミリー・アリン・リンド
- ジョン・ダルトン医師:ブルース・グリーンウッド
- ルーシー・ストーン:ジョセリン・ドナヒュー
- デイブ・ストーン:ザッカリー・モモー
- ウェンディ・トランス:アレックス・エッソー
- バーテンダー / ジャック・トランス:ヘンリー・トーマス
- ブラッドリー・トレバー(野球少年):ジェイコブ・トレンブレイ
ドクタースリープのあらすじと感想 ※ネタバレ注意
幼い時に展望ホテルで受けた深い心の傷がいまだに癒えないダン(ダニー)・トランス(ユアン・マクレガー)は、トラウマを抱えたまま、孤独な人生を歩んでいた。
父ジャックに殺されかけた記憶、どこまでも追いかけてくるホテルの亡霊たち…。
その苦痛を封じ込めるため、ダンは父と同じようにアルコールにのめり込んだ。
どん底まで落ち、逃げるように放浪を続けた末に、ニューハンプシャー州フレイジャーにたどり着く。
フレイジャーでビリー・フリーマン(クリフ・カーティス)という良き友人にも恵まれ、彼の助けを得て、地元の禁酒会に居場所を見つけるダン。
さらに、この町のホスピスで働き始めたことで天職にめぐり合う。
今まで抑えて隠してきた力が、患者が安らかに永遠の眠りにつく助けになったのだ。
末期患者に寄り添うダンは、”ドクター・スリープ”と呼ばれるようになった。
フレイジャーから約30キロ離れた町アニストンに、アブラ・ストーン(カイリー・カラン)は暮らしていた。
アブラもまたシャイニングの持ち主だった。
本能的にお互いの存在に気づいたふたりは、素性も知らないまま、たわいないメッセージを交わすようになる。
だが、そんな平和な日々は、アブラがある少年の死を感じ取ったことで崩れ去る。
アイオワ州の野球少年ブラッドリー・トレバー(ジェイコブ・トレインブレイ)の命をむごく奪ったのは、冷酷なローズ・ザ・ハット(レベッカ・ファーガソン)と彼女が率いる集団「真の絆(トゥルー・ノット)」。
不死を求めて無垢な人々のシャイニングをむさぼる者たちだった。
アブラの存在とその強力なシャイニングに気づいたローズは、彼女の力を求め、あらゆる手段を使ってアブラに近づく。
アブラはダンを探し出し、ローズと生死を賭けた闘いに挑む。
そんなアブラに刺激されたかのように、かつてないほどに高まっていくダンの能力。
そしてダンは、この闘いを終わらせるにはあの場所に戻るしかないと決意する。
それは、過去の亡霊を目覚めさせ、そしてまた、自分の過去と恐怖に向き合うことでもあった…。
※パンフレットより抜粋
前作『シャイニング』と全く異なる作風
『シャイニング』は、何度も殺人の起こった呪われたホテルが人を狂わせ、再び惨劇を繰り返させるというサスペンスホラーでした。
その中での、ダニーの持つシャイニングの役割は、人よりも敏感に『得体の知れない存在、この世のものでない者たち』を感じ取るというもので、作品がもつ恐怖を増幅させるものになっていました。
翻ってこの作品でのシャイニングは、もっと万能のSFチックなもの。
相手に幻覚を見せたり命令に従わせたり、自分の意識をはるか遠くまで飛ばしたり出来てしまうんです。
この違いがとても大きく、結果的にシャイニングとは似ても似つかないサイキックバトルムービーになっています。
また、この作品で対立する敵『真の絆』は、あの展望ホテルの亡霊たちとは無関係の、全く別の者たちです。
非常に唐突な登場という印象で、シャイニングのその後を描く作品として鑑賞すると、なんだか居心地が悪い。
キューブリック版シャイニングのファンの人が本作を観ると、あるいは肩透かしを喰らうかもしれません。
スティーブン・キング版原作、キューブリック版『シャイニング』と本作との関係
キューブリック版『シャイニング』が、原作との相違点の多さからスティーブン・キングの不興を買ってしまったという話は超有名です。
一方で、キューブリック版『シャイニング』は名作との呼び声も高く、ファンは非常に多い。
そこで、そのどちらも好きだという監督のマイク・フラナガンは、キングのシャイニングとキューブリックのシャイニング、双方に敬意を払って製作することに重点を置いたといいます。
キングの原作『ドクター・スリープ』は意図的にキューブリック版シャイニングを無視した内容になっているそうなのですが、マイクは、この2つを上手く繋いだというのが良く聞かれる評価。
本作をキングに観せると、キングは「いいぞ!」と叫んだり、「良い仕事をしてくれたね」とマイクの肩を叩いてくれたそうです。
また、キューブリックの遺族も、映画を気に入ってくれて手紙をくれたそう。
この映画で両者に芸術的和解がもたらされたのだと考えると、映画史的な意義は小さくないのかもしれませんね。
軽い描写、安直な表現が目立った。 ※2019.12.02追記
物語中盤、真の絆メンバーを一箇所に集め、ダンたちが奇襲をかけるシーンがありますが、武器はただの猟銃だけというど素人の2人組に真の絆の殆どが射殺されてしまいます。
数百年(数千年?)という悠久の時を生き抜いてきた人智を超えた存在の真の絆であるはずですが、ものすごく弱かった…(^_^;)
逆にローズだけは強すぎて、ダンはローズを倒すために展望ホテルの亡霊たちを利用しますが、このアイディアは好きです。
ローズさえあっけなく殺してしまう亡霊たちの強さ。好きなシーンの1つです。
でも、あの亡霊たちって、ああいう殺し方似合わなくないですか…?
自ら手をくださずに、人を操って殺人を行わせるというのが彼らのやり方のような気がしますが、いかがでしょうか。
【※2019.12.02追記】
SNSにおける本作の感想で、「ジョジョを連想した」というものが結構あったのですが、なるほど。
ローズの最期に、杜王町の亡霊に連れて行かれた吉良吉影の最期を重ねていたんですね。
ダンやアブラなど登場人物たちの物分りの早さや、あっさりと殺されるビリー、殺害シーンすらなく殺されたアブラの父など、軽い描写が目立った気がします。
また、クライマックスではダンが幼少期の姿に戻り、母ウェンディと見つめ合うシーンがありますが、あの演出も、ありがちで安直な印象を受けました。
代役について
ジャック・ニコルソンが演じたジャックが登場するシーンは当然代役になっていましたが、例えば『キャプテン・マーベル』の時のサミュエル・Lジャクソンや『アントマン』の際のマイケル・ダグラスなど、老いた彼らをCGで若返らせたように、ジャック・ニコルソン本人を起用できたなら、この映画の価値は全く違ったものになったのになぁと、残念でなりません。
まあ、出来ることと出来ないことがありますからね。致し方なし。
しかし、当時の映像を使えばいいところなのに敢えて使わず、代役を使って新たに撮影している場面が何箇所かあり(例えば、ジャックが斧を持って階段を上がってくるシーンなど)、そこは残念でした。
ウェンディの代役の方も、頑張って寄せてはいたんでしょうがなかなか、イメージがかけ離れていました…。
まとめ…大人になったダニーの、ちょっとB級ぽい超能力バトルムービー
いかがだったでしょうか。
原作を読んでおらず、シャイニングの40年後の物語という設定だけ聞いてワクワクして劇場に足を運んだのですが、鑑賞後はなんだかもやもやしたものが残りました。
想像していたものと全く違った、ちょっとB級臭すらただようような超能力バトルムービーになっていたからだと思います。
キューブリック版シャイニングファンの方の間でも賛否の分かれるものになっているようですが、色んな方の感想を聞いてみたいですね。
映画って、本当に良いものですね♪では今回はこの辺で。バイキュー☆